作者:ぱず
「私、一真(かずま)くんと結婚したいな。」
「最近、よくあんたのこと考えてるんだけどさ。俺も、あんたのことが好きみたいだ。」
「……えっ? 本当? すごく嬉しい!」
「なあ、俺と付き合ってくれないか?」
「嬉しいけど。それはできないよ。」
「なんでだよ? 俺と結婚したいんだろ? じゃあ、まずは付き合おうよ。」
「ごめん。それはできないの。本当にごめん。」
「なんでだよ。なんでなんだよ。俺たち、こんなに想い合ってるのに。」
一真くんは泣いていた。
男の子の涙を見るとキュンとしてしまう。
私だって、できることなら一真くんと付き合いたいよ。
でも、無理なんだよ。
園児と本気で付き合ってる先生なんて、おかしいでしょ。
ねえ、一真くん。同じセリフを……二十年後に、もう一度言ってくれないかな。