心が弱いことの意味

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作家:ぱず  作画(くろっちとしおぶー):まぁぺ

 


 

 

しおぶー
ねえ、くろっち。
くろっち
なんだい? しおぶー。
しおぶー
ほら、あの雲を見て。
くろっち
え? どの蜘蛛だい?
しおぶー
蜘蛛じゃなくて、空の雲だよ。
くろっち
空……? わあ、綺麗だね。
しおぶー
綺麗だね。まるで、ハートみたいだね。
くろっちとしおぶーが見上げた空

 

くろっち
本当だね。まるで、ハートみたいだ。
しおぶー
ねえ、くろっち。ボクさ。分からないことがあるんだよ。
くろっち
何? しおぶーは、何が分からないの?
しおぶー
よくさ。心が強いとか、弱いとか言うでしょ。あれが、分からないんだよね。
くろっち
心が強いとか弱いか。うん、確かに意味が分からないね。心が戦うってことなのかな? 派手にドンパチやるってことだよね。
しおぶー
たぶん、派手にドンパチはやらないと思うよ。

ボクが言いたいのはさ。心が弱い意味が分からないってことなんだよ。

くろっち
心が弱い意味?
しおぶー
うん。強い心と弱い心があって。強い方が良いのなら、みんな強ければいいと思うんだ。それなのに、心の弱いウサギがたくさんいる。これの意味が分からないんだよ。
くろっち
なるほどね。たぶんだけど。存在するってことは意味があるってことじゃないかな。
しおぶー
うん。確かに、そうかもしれないね。でも、どんな意味があるんだろう? 意味……? 意味か。意味を、メリットと言い換えても良いかもしれないね。
くろっち
メリット。心が弱いことのメリット。うーん。そうだね。…………そうか。わかったぞ!
しおぶー
わかったの? すごいや、くろっち。教えてよ。
くろっち
うん、いいよ。しおぶー。 心が強いとさ。ストレスを感じにくいでしょ?
しおぶー
うん、そうだね!
くろっち
ということはだよ! 白髪が増えにくいってことじゃないかな!
しおぶー
…………たぶんだけどさ。それ、違うと思うんだ。
くろっち
えっ? 嘘でしょ? これ、違うの?
しおぶー
うん、違うと思う。
くろっち
なんで? なんで? 違うと思うの?
しおぶー
それはね。普通はさ、そこまで白髪を気にしてないからだよ。白髪を気にしないのなら、それはメリットとは呼べないよね。
くろっち
そ、そうだったんだ……みんな白髪を気にしてないんだね。それは知らなかったよ。
しおぶー
うん。白髪はそこまで気にしてないはずだよ。でもね。くろっちのお陰で、分かった気がするんだ。
くろっち
ええ? 何が分かったの? しおぶー。
しおぶー
くろっちは、心が強いとストレスを感じにくいって言ったでしょ?
くろっち
うん。言ったよ、しおぶー。ボクは、確かに言った。
しおぶー
それは逆に言うと、心が弱いとストレスを感じやすいってことになるんだよね。
くろっち
うん、そうなるね。でも、それがなんなのさ。
しおぶー
ストレスを感じやすいからこそ、見えてくるものがあるんじゃないかなって思ったんだよ。
くろっち
ストレスを感じやすいからこそ、見えてくるもの? 一体それはなんなの? 何が見えるの? 幽霊なの? 幽霊が見えてるの?
くろっちの想像する幽霊

 

しおぶー
いいや。幽霊は見えてないと思うよ。そうじゃなくてさ。心が弱いからこそ、同じように心が弱い存在を理解してあげられるんじゃないかな。
くろっち
え? 幽霊が見えないってことは分かったけど、それ以降の話が難しすぎて分からないよ。
しおぶー
たとえばさ。味覚のないウサギがいたとしてさ。そのウサギに、美味しい食べ物の話をしても、ピンとこないと思うんだ。だって、味を感じないんだもの。
くろっち
うん。そうだね。味を感じないウサギに食べ物の話をしても、きっと分かりっこないよ。
しおぶー
それと同じでさ。弱さというのは、心が弱いウサギにしか理解できないんじゃないかな?
くろっち
なんだ、まだ難しいぞ? つまり、どういうこと?
しおぶー
つまり、心が弱いウサギの方が、他のウサギに対して優しくなれるかもしれないってことだよ。
くろっち
わあ、すごい。優しいウサギか。それはステキなことだね。
しおぶー
うん、とってもステキなことだよね。
くろっち
心の弱さにも、意味があったんだね。
しおぶー
うん。意味があったんだよ。…………でもね。心が弱いからと言って。みんながみんな、優しいウサギになれるとは限らないからね。
くろっち
…………えっ? じゃあ。結局、よく分からないってこと? しおぶー。
しおぶー
そういうことになるね。くろっち。

 

 

 

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