出会い系サイトの怖い話

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作画:chole(黄泉子)

 


 

霊感少女・黄泉子
とりゃっ。 あははっ。 黄泉子(よみこ)だよ。

今回はネットの怖さが感じられる話みたいだよ。

一緒に見ていこう。

 

これは、28ノベルだけで読むことができる怖い話です。2ちゃんねるのコピーではありません。

 

かれこれ十数年前の話。

当時、出会い系サイトの全盛期とでも言おうか。

ネット上には無数の出会い系サイトが溢れていた。

俺もそれら出会い系をちょこちょこ利用していて、異性との出会いも多かった。

だがあることがきっかけで、俺は出会いサイトから足を洗うことになる。

 

その日は、一人の女と待ち合わせをしていた。

まだ携帯にカメラが付いていない時代だ。

容姿は自己申告を信じるしかなかった。

その女が言うには、当時人気だった某・美人女優に似ているらしく、俺はかなり期待していた。

 

だが、待ち合わせ場所に来たのはお世辞ににも美人とは言えない女で、某・美人女優には似ても似つかない容姿だった。

がっくりする俺などお構いなしに、女は会うなり「ホテルに行きたい」と言い出した。

俺は軽いノリで了承した。

 

ホテルに入り、二人でジュースを飲んだ。

何の会話をしたのかあまり覚えていない。

覚えているのは、猛烈に眠くなったことだ。

ここまで強烈な眠気を感じたのは、後にも先にもそのときだけだった。

起きていようと目に力を入れるも、無駄な抵抗だった。

眠気には逆らえなかった。

 

……痛みで目を覚ました。

いつの間にか眠っていたようだ。

右腕が痛い。

重い瞼を強引に開いて、腕を見る。

視界がボンヤリしていて、よく見えない。

……徐々にはっきりしてくる視界。

俺は腕は真っ赤に染まっている。

血を流していたのだ。

なんで?

いつ怪我したんだ?

そう思った次の瞬間、ベッドの横に人が立っていることに気が付いた。

見ると、血まみれの女が笑顔でこちらを見下ろしているではないか。

女は下着姿で口の周りが真っ赤だった。

口の周りには血がついているようだ。

すぐに、その血が俺のものだと分かった。

寝ている間に、俺は噛みつかれていたのだ。

全身に冷や水を浴びたようにゾッとした。

「てめぇ。なにしてんだよ」

ボンヤリする頭で、精一杯ドスを利かせてみたが効果はなかったようだ。

もしかすると、俺は声が震えていたかもしれない。

女はニヤニヤとこちらを見下ろしている。

「なあ、勘弁してくれよ。俺、もう帰るから」

俺はフラフラする体で立ち上がると、自分の荷物を掴み外に出た。

フラフラ状態のため、戦っても勝てる気がしなかった。

女に腕を掴まれるのではないかと気が気でなかったが、女は俺を止めようとはしなかった。

 

ホテルから出た俺は、泣いていた。

恐ろしさと、不安、女から逃げることができた安堵感。

いろんな感情が入り混じっていて、言葉にしづらい。

しばらく涙が止まらなかった。

 

その後、腕の傷は自然に治っていった。

それほど深い傷ではなかったようだった。

あの女がなんだったのか、今でもわからない。

あれ以来、俺は出会い系サイトを利用しなくなった。

十数年たった今も、俺の右腕にはうっすら傷跡が残っている。

 

霊感少女・黄泉子
血が出るほど噛まれるとか、絶対嫌だよ。

傷跡が残るのも嫌だし、おいらはその女性と絶対に出会いたくないッ。

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作品は著作権で保護されています。

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