不倫の代償

↑「あとで」は、しおり代わりに使えるよ↑

  前:某遊園地のジェットコースター

 


 

作画:chole(黄泉子)

 


 

霊感少女・黄泉子
とりゃっ。 あははっ。 黄泉子(よみこ)だよ。

人生って後悔することってあるよね。

今回のお話も、読まないと後悔するかもよ? なんてね、あははっ。

 

これは、28ノベルだけで読むことができる怖い話です。2ちゃんねるのコピーではありません。

 

ここだけの話ですが、私は不倫をしていました。

当時妻が妊娠中でつわりもひどく、夜の営みができる状態ではありませんでしたので、前々から私に好意を寄せていたアルバイトの女子大生(A子)と関係を持ちました。

A子はいわゆる「メンヘラ系」というやつで、惚れっぽく、それでいて好意を持った男性に依存する性格で、簡単に体を許す女の子でした。私は既婚者ですので、とにかく体だけの付き合いが望ましく、性的なことに積極的なA子は不倫相手としては都合が良かったのです。

しかし、関係を持って2か月ほど過ぎて来ると、A子は次第に私にどっぷりのめり込むようになりました。

それまでは仕事が終わったら人目を忍んで合流し、そのままホテルに行ったりしていましたが、A子は休日のデートも望むようになってきたのです。

当然、私はずっと断ってきました。それでもA子は、

「私、あなたとずっと一緒にいたい」

「私たち、すごく相性がいいと思うの」

「奥さんと私、どっちが好き?」

「私、昔から良いお母さんになりそうって言われてるんだ」

といった感じに、遠回しに自分と一緒になってほしいという事を言ってきました。

なんて重い女に手を出してしまったんだと舌打ちをしたものです。このままだと「奥さんと離婚して私と結婚して」と言いかねないと思い、機を見て別れようと思っていました。

ですが別れ話を切り出す前に、予想外の出来事が起こりました。

A子が妊娠したと告げてきたのです。

「間違いなくあなたの子よ。責任を取って私と結婚して」

冗談じゃない!金は出すからすぐに堕ろしてこい!

私はひどい言葉をA子に浴びせました。A子は涙を流し、あなたの子を産みたい、あなたと結婚したい…と訴えてきました。

「俺は認めない。産みたいなら勝手に一人で産んでくれ」

私の酷い言葉に、A子はこう返しました。

「ひどい。絶対に許さないから。私のこと、忘れられないようにしてやるから」

私はA子と別れました。彼女はその後すぐにアルバイトをやめて、二度と私の前に現れませんでした。

妻のお腹が大きくなってきた頃に、風の噂で「A子は自殺した」と聞きました。

遺書は残されていなかったそうですが、間違いなく私との関係が原因でしょう。

それからすぐに、妻が男の子を出産しました。難産だったこともあり、多忙な日々の中でA子のことは忘れていました。

息子には生まれつき背中にあざのようなものがありました。「蒙古斑かな?蒙古斑はお尻以外にもできるからね」と医師に言われてはいましたが、そのあざは息子の月齢が上がるにつれて形が変わっていきました。

生後3か月を過ぎた頃には、そのあざはなんとなく人の顔のようになっていったのです。

妻に言われてあざを改めて見た時、私はゾッとしました。

そのあざは、どこかA子の顔に似ていたのです。そして、私はA子の言葉を思い出しました。

「私のこと、忘れられないようにしてやるから」

私を恨んで死んでいったA子は、とんでもない形で私の前に現れました。

愛しい息子を見るたびに、私はA子を思い出してしまいます。

 

霊感少女・黄泉子
こわっ……

一生解けない呪いだね……

  前:某遊園地のジェットコースター

  次:泳いではいけないレーン

作品は著作権で保護されています。

\ シェアしよう /