作画:chole(黄泉子)
今でも忘れられない不気味な話があります。
三十年近く前のことです。
当時、私は小学五年生でした。
私の家の近所に二つ下の女の子が住んでいました。
その女の子を、仮にA子ちゃんとしましょう。
A子ちゃんとは、登校班が一緒で仲良くなりました。
とても不思議な子でした。
火葬場から上る煙を見ると、どんな人が焼かれてるのかが分かるというのです。
煙を見て「今日は、おじいちゃんだね」とか「今日は、おばあちゃんだよ」とか、言うのです。
あっけらかんと言い放つ姿は、ウソをついているようには見えませんでした。
当時の私は小学生でしたので、その日に火葬場でどんな方が火葬されていたのかを確認することはできません。
A子ちゃんの言っていたことが事実なのかは分からないのです。
ただ。あるとき、とても不気味なことを言われました。
A子ちゃんは、学校の焼却炉から上る煙を見て「男の子」と呟いたのです。
火葬場の煙ではなく、焼却炉の煙を見て言ったのです。
焼却炉で人間の遺体が燃やされているなんて、本来あり得ないことです。
それを耳にした瞬間、私の背筋は冷たくなりました。
「え、どういうこと?」
そう訊ねても、返事をしてくれません。
A子ちゃんは「男の子」とつぶやいた以降、何も言ってはくれませんでした。
確かにその頃、その界隈で男の子が行方不明になる事件があったばかりだったのです。
もしもA子ちゃんの言ったことが本当なら、 私の通っていた学校関係者の中に誘拐殺人犯がいると言うことになってしまいます。
結局のところ。あの行方不明事件と、A子ちゃんがつぶやいた言葉に関連があるのかは分かりません。
A子ちゃんが冗談を言った可能性の方が高いかもしれません。
ですが。私にとっては、今でも忘れられない不気味な話です。
何が見えてたんだろうね。
怖い事件じゃないことを祈るばかりだよ。
今回は、霊感少女のお話みたいだよ。
おいらの話じゃないよ。
違う霊感少女だよ。