雪かきの音

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作画:chole(黄泉子)

 


 

霊感少女・黄泉子
とりゃっ。 あははっ。 黄泉子(よみこ)だよ。

雪降ると楽しいよね。

雪だるま作ったり、雪合戦したり。

おいら、雪大好き。

 

これは、28ノベルだけで読むことができる怖い話です。2ちゃんねるのコピーではありません。

 

その日は雪が降っていた。

雪で電車は止まり、タクシーもなかなか捕まらない。

なんとかタクシーを捕まえて、自宅アパート前まで来ることができた。

アパートの周りも雪が積もっている。

とても歩きにくい。

部屋に入り、時計を見ると23時を回っていた。

夜食を食べ、しばらくボーッとしていた。

そろそろ、シャワーを浴びねばならない。

シャワーを浴び髪を乾かし終わったころ、外から音が聞こえてきた。

ジャッ、ジャッ……

どうやら、誰かが雪かきをしているようだ。

ジャッ、ジャッ……

ふと我に返る。

こんな夜中に雪かきをしているのは、おかしくないだろうか。

時計は深夜1時を過ぎている。

ジャッ、ジャッ……

音は相変わらず聞こえてくる。

いったい、こんな時間に誰が雪かきをしているというのだ。

怖かったが、気になってしまった。

俺は、ダウンコートを羽織ると外に様子を見に行った。

アパートの外には誰もいなかった。

だが、雪かきをした形跡が残っている。

つい二時間前まで、雪が積もっていた道路。

今は雪が道路のはじに寄せられていた。

誰かがここで雪かきをしていたのは間違いなさそうだった。

不思議に思いながらも、部屋へと戻った。

少しすると、また音が聞こえてきた。

ジャッ、ジャッ……

背中に冷たいものを感じた。

時計の針は1時30分を過ぎている。

明らかにおかしい。

さすがにもう、確認しにいく勇気はない。

俺は布団をかぶるとそのまま寝ることにした。

音が気になって眠れない。

ジャッ、ジャッ……

……結局、その日は眠ることができなかった。

音は明け方近くまで続いた。

朝になり、外に出てみると雪は綺麗にはじに寄せられていた。

ちょうど管理人さんに会ったので訊ねてみたが、管理人さんも誰が雪かきをしたのか分からないそうだ。

いったい、誰が雪かきをしたのだろうか。

俺は今でも、あの音が忘れられない。

ジャッ、ジャッ……

 

霊感少女・黄泉子
雪が好きって気持ちに自信なくなりそうだよ。

すごくリアルな怪談だな、と思ったら。

これ、実話らしいよ。

もしおいらなら、怖くてしばらく外出できなくなりそう。

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